たとえばそれは、ひぐらしの鳴き声だったりします。
「カナカナカナカナ……」
と表現されるその鳴き声ですが、実際はこんなにかわいいものではありません。もっと残酷です。
一日のおわりを告げるその声は、まず僕たちの脳ミソに直撃します。その後、ぐぐぐっと食道をくぐり、胃のあたりをおさえつける感覚があります。そうして僕たちは動けなくなってしまいます。ベッドの上で動けなくなる。
これは、日曜の憂鬱の話です。
いつも日曜の午後3時ぐらいにやって来る、「明日から学校か……」という僕たちの憂鬱の話です。
そのどーしようもない気分は、ひぐらしの鳴き声だったり、夕焼け空の雲だったりします。あとは、山の稜線や、軽トラのはしる音。なげやりな宿題。転がったシャーペン。サザエさんのオープニングだったりもします。
もう全部どうでもいいから楽になりたいと。憂鬱の布団にくるまって目を瞑ってしまおうと。
これを読んでくださっている人の中にも、同じような思いを抱えている人は多いはずです。
別に、憂鬱になったところでどうにもならないのは分かっているんですよね。宿題を終わらせて、明日にそなえてさっさと寝た方がいいに決まってる。
明日にはきっと、別の自分が元気をだして学校へ行っているでしょう。それはそれで、なんかさみしいし。
苦しくなってしまう程つらい「今」を耐え抜くために、少しだけ現実逃避ができればいいなと思っています。
現実逃避のその先が、いつか優しい現実になればいい。そんな気がします。
長くなってしまいましたが、そういうわけで、Webサイト「日曜憂鬱通通信」を開設します!
頑張りますので、どうかよろしくお願いします。
2023年4月16日
大越