短編小説

SDGsの香り

「パン騒動」-2

チャイムが鳴った。だけど、吉田先生の授業はいつも少し長引く。
SDGsの香り

「パン騒動」-1

まだ5月だというのに、この暑さである。教室では現代社会の授業が行われているが、気が滅入るほど暑いのにクーラーの点かないやるせなさと、そもそもこれが4限目という最も集中力の下がる時間だという事とで、生徒達の士気は確実に下がっていた。もちろん、それは教卓のすぐ前の席に座っている西尾尚樹も同じだった。