サザエさんレポート 2023年7月23日放送分

重要。サザエさんレポート。

 なんと、FNS27時間テレビとのコラボ回である。4年ぶりの放送となる、FNS27時間テレビ。ここ数年は観ていなかったが、そういえばサザエさんとコラボしてたなぁ。このサザエさんレポートにも、緊張の糸が走る。

 

オープニング


 まずオープニングから変わっている。普段の牧歌的な旅行映像は差し替えられ、何の脈絡もなく、家族総出でジョギングをするサザエ一家。そこへ「千鳥の鬼レンチャン」チームが立ちはだかる。メンバーは千鳥、かまいたち、ダイアン、ほいけんたの7人。右端の大悟が「鬼レン勝負」と書かれた旗を掲げ、サザエさん一家と色々な勝負を行う。バックに流れているのはいつもと同じオープニング曲。あふれ出る違和感に、私の胸は落ち着かない。

 


 アニメのコラボ回というのは、一見するとお茶の間を賑やかしそうではあるが、冷静に観たらとてもシュールな映像である。「サザエさんの世界に、現実世界の芸人が出演する」というのは本来であれば無茶苦茶な事態。しかし、それに対して「おかしいだろ!」とツッコむ者は誰1人登場しない。この映像を楽しもうとするには、かなり体力の要る咀嚼が必要なのである。

 


 原因は、抽象度の違いである。サザエさんの世界にはサザエさんならではの秩序が存在し、登場するキャラクターも、我々視聴者も、その秩序を暗黙の了解として受け入れている。だから、サザエさんを観た人の中で

 


「顔でかすぎだろ!」
「タラちゃん小さすぎだろ!」
「家具少なすぎだろ!」

 


とツッコむ者はいない。こんなヤツはウルトラマンを観て「いや中にヒト入ってんじゃん!」とツッコむ人間と全く同じレベルの人間であり、仮にそんなヤツがいたとしても一瞬で「分かってない寒いヤツ」の判定を受けてお終いである。

 


 我々は暗にサザエさんの抽象度を理解し、共通の秩序の中に視点を置いて「サザエさん」という作品を成り立たせているのである。


 しかし、今回のようなコラボ回ではその秩序が何の躊躇もなく壊される。現実世界の芸人とよく似た作画の人物が、サザエさん一家の前にいる。現実とアニメ。抽象度の激しいギャップが生じる。我々が持っていた「サザエさんを観る視点」は一瞬にして撹乱させられ、本来であれば生じる必要の無い

 


「そういやサザエさんのキャラって頭身どうなってんの?」

 


というような余計な疑問がビールの泡のごとく湧き上がり、我々はサザエさんを不気味な映像作品としてしか捉えられなくなる。

 


 この現象を端的に言えば、「様式の崩壊」である。生活の一部となった「サザエさん」の様式がまざまざと壊されるのを目の当たりにする心境は、革命でそれまでの伝統様式が否定されるショックに似ている。サザエさん様式の崩壊は、日本国民のアイデンティティの喪失にも繋がる。

 


 まぁ、長々と書いたが所詮はイチ視聴者の戯言。来週はまたいつものサザエさんが帰ってくる。だから今回ばかりは、なにか突飛なSF作品としてサザエさんを鑑賞するのも良かろう。

 

ふたりは似たもの夫婦


 通常回である。よかった、安心した。ようやくスッキリと呼吸ができる心地だ。

 


 波平とフネって似たもの同士だねー、という話題から物語はスタートする。二人してよその子をワカメと間違え、2人で偶然にも同じ小説を読んでしまう。

 


 しかし、こんな夫婦に喧嘩が発生する。フネの話を全く聞かない波平。イライラしたフネは、家を出る波平に10日前の新聞を渡す。こうして喧嘩勃発。あまり喧嘩をするイメージにの無かった2人だけに、家庭は落ち着かない。それは視聴者である私も同じである。

 


 別の日、波平は1人で散歩に、フネは1人でデパートに出かける。「ご主人様にどうですか~」とネクタイを勧められ、「いや、今は喧嘩しているので!」と断るフネ。店員のイライラをいたずらに増やしてしまう。

 

 
 しかし、2人は偶然にも公園で遭遇する。両者とも同じヒマワリを見に来たのだ。やっぱり似たもの夫婦だね~、と仲直り。

 

ボクは小さい子


 タラオ主役回である。

 


 りかちゃんの家で「タラちゃんは小さい子!」と言われ、へそを曲げてしまったタラオ。我々からしたら「いや小せえだろ」と一蹴できる話であるが、幼い男子は「小さい」なんて形容詞を嫌う者である。やはり大人っぽく見られたいのだ。

 


 大人、というより「大きい子」としての対応を求めるタラオ。しかし、彼の中には大きなジレンマが生じる。「大きい子」と言われたいのに、本質は「小さい子」であるから、おんぶは嬉しいのだ。小さな身体の中で、大きな葛藤が生じる。大きい子なのに、波平にだっこしてもらってご満悦なタラオ。カツオに指摘されてまたへそを曲げてしまう。

 


 そして大きい子の代名詞、「1人で寝る」を実践するタラオ。寂しくて眠れないタラオ。やっぱり自分は小さい子でいいようだ。

 


 別の日、タラオは「小さい子」として生きていくようになった。その方が何かと優遇されて得だと言うことに気づいたようだ。自分は小さい子だからとりかちゃんの家でケーキを譲ってもらい、なんの悪びれもなくサザエにおんぶをせがむ。

 


 こやつ、計算高い。

 

いざ、真剣勝負


 町で腕相撲大会が開かれるようだ。かもめ第三小学校のメンバーで挑戦することを決意する。

 


 お察しの通り、コラボ回である。いびつな抽象度を帯びた芸人たちが、サザエさんの世界に登場する。

 


 まず、かまいたちの二人。花沢対カツオの勝負を外から眺め、見入って息を止めてしまう山内。しかし、かもめ第三小学校のメンバーは見向きもしない。今回はあくまで小ネタ的なコラボのようだ。少しだけ胸騒ぎが収まる。

 


 さぁ、腕相撲大会当日。出場者はサザエ、マスオ、カツオの3人。優勝者にプレゼントされる南国リゾート旅行を目標に一致団結する様子。会場は小学校の体育館。

 


 サザエの試合を見る千鳥の2人。端の方で「ゴイゴイスー」と叫びながら試合に参加するダイアン津田。そして、マスオとユースケの試合。マスオ勝利。しかし、次の試合でほいけんたに負ける。タスク表に淡々とチェックを入れていくような、作業的なコラボが終了する。

 

 サザエさん一家とのハッキリとしたコミュニケーションは発生しなかったが、立派なコラボ回であった。全体的に不気味な雰囲気であったが、たまにはこういう回も良いではないか……。

 

じゃんけん


 チョキであいこでした。

 

 



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