父さん図工の時間
波平、DIYにハマる。カツオに椅子を作ってやろうとするが大失敗。ゴミ箱に廃材を詰め込み、ただ地球を汚しただけで終了であった。
「もう少し粘りがあると父さんも出世したんだろうけどな」
とカツオの一言。このまま話が終わってしまえば痛快で大好きなのだが、残念ながらまだ続く。波平が諦めないのだ。どうやら今度は郵便受けを作るらしい。
丁寧に描かれた完成予想図を家族に見せる波平。他の家族は「どうせまた失敗するだろ……」と思いつつ笑顔を作るが、そんな波平の性質を知らないタラオだけが期待に胸を膨らます。磯野家の足並みが乱れる。幼さとは罪である。
ここでカツオの画策が入る。今度の日曜、本来は家族みんなでデパートに行く予定だったが、波平だけ家に残って郵便受けを作っていろ、という提案である。その方が作業に集中できて、波平的にも嬉しいだろうとアピール。まんまと納得する波平。穏便に隔離されることになった。少し気の毒な気もするが、本当に少しなので別に良い。
タラオは波平の郵便受けに相当な期待をしているらしく、家に訪れる新聞屋さん、郵便屋さんに近々郵便受けが新しくなることを宣伝する。自分が立っている場所がタラオによって少しずつ「窮地」になっていく波平。焦ったカツオは、「どうせ失敗するんだよ」とタラオを制する。
そして日曜がやってきた。
昼。波平以外の家族はデパートのレストランで食事。波平は板からノコギリが抜けなくなっていた。私だったら隠しカメラでも置いて彼を観察したいところだが、そこまで波平に興味はないのが磯野家である。
困り果てている波平の元に、前回「冷や奴が好き」であることが明らかになった隣の家のじいさんが登場する。チェーンソーのような立派なヒゲを蓄えたじいさんである。
どうやらじいさん、大工道具の扱いには慣れているらしい。あっという間にノコギリを動かし、板をスパッと切ってしまった。ということはやはり、あのヒゲはチェーンソーを意識しているのだろうか。ロックマンのボスみたいでかっこいいと思う。
デパートから帰る磯野家。タラオは郵便受けの完成を信じており、マスオも「お父さんを信じるよ」と乗っかる。それを見たフネが「良いんですか、そんなこと言って」と間接的な悪口を吐く。
磯野家、家に到着。
なんと郵便受けは、ほぼ完成していた。昼飯を食うのを忘れ、波平は作業に没頭していたようだ。 しかし、まだ手紙を入れる穴を開けていない。晩ご飯も食べずに作業を続ける波平。タラオが寝る時間になっても、外ではノコギリの音が聞こえる。
翌朝。目を覚ましたタラオに「見ない方が良い」と忠告するカツオ。
どうやら波平、穴をあける作業に失敗。見るも無惨なガタガタな穴を作ってしまっていた。
しかしここでカツオの機転、郵便受けではなく小鳥の巣箱にすればいい、と言う。そうして無事巣箱に改良し、すずめの親子が住み着き、「良かったねぇ」という雰囲気で話は終わる。
頑張るのは明日から
おつかいに行かされるのを避けるため、勉強をしているフリをしたカツオ。しかしサザエが真に受けてしまい、晩ご飯にご馳走を用意。家族全員から「テスト勉強がんばって」と応援されてしまう。
まずい、このままでは勉強をする羽目になってしまう。カツオ焦る。ここまで勉強をしたくない人って、今の時代アニメでしか見ない気がする。勉強をしない代わりに、外で野球をしたり好きな漫画を読んでいるのだからまだ健全だ。現代、私を含めた多くの人間は、勉強をしない時間にダラダラと興味も無いTwitterを眺めてしまうことが多い。我々は、一体どこに向かっていくのだろう?
翌日、
「近々テストの予定はありますか」
と先生に聞くカツオ。どうやらその予定はないらしい。これで、テストがあるっていうのは僕の勘違いでした、と事を丸くおさめる事ができるという彼の作戦である。
しかーし! そうもいかない。先生は「カツオがやる気になった」と張り切り、急遽テストの予定を作ってしまう。教室は大ブーイング。カツオ、いよいよ勉強をしなくてはならない。
家に帰り、鉛筆を削るカツオ。机の上が汚いと、掃除をするカツオ。気づけば日が沈む。あぁ、勉強が出来なかった。まぁ、明日でいいやと楽観視するカツオ。びっくりするくらいの王道展開である。
明日から……、と事を先延ばしにしてしまうのは、磯野家の遺伝子によるものらしい。サザエはダイエットを先延ばしにし、波平は雨どいの修理を先延ばしにする。カツオもそれに従い、勉強を先延ばし。気づけばテスト前日になってしまっていた。そもそも、小学生に大層なテスト勉強なんて要るのだろうか。
カツオ、家の前で雨宿りをしていた学生を捕まえ、勉強を教えてもらう。この行動力、臨機応変さ。見習いたい。
テスト終了。帰ってきた答案は52点。磯野家は総スカン。しかしカツオは堂々と
「1日しか勉強していないのに52点だよ」
と発言。「ォオェエ」と変な声を出して驚くマスオ。これには波平も「ばっかもん!」を繰り出し説教を始めるが、テレビの野球中継が気になって説教に集中できない。
「お説教も明日からでどうでしょう」
というカツオの口車に乗せられ、結局みんなで野球を見るのであった。
別の日、部屋にいるカツオの元に、何故かノリスケが「週刊誌を買ってきておくれよ」と登場する。これには私も言葉に詰まった。カツオ、おつかいを断ろうとするが、「これで好きなアイスでも買って」と1000円を渡された途端、快諾。人間なんてそんなもんである。
我が家のキューピット
タマ、屋根の上でガールフレンドのペルシャ猫と良い感じになっているが、タイミング悪くサザエが焼き魚の調理を始めてしまい、ガールフレンドはそちらに気をとられる。タマはがっかり。「気が散る」と書かれた吹き出しが表示されるが、ネコとはほど遠いガッツリ日本語のため思わず笑ってしまった。
ちなみに、このタマのガールフレンドには公式で名前が付けられている訳ではない。しかしいちいち「ガールフレンド」とタイピングするのも面倒なので、勝手に呼び名を付けようと思う。
じゃあ、「オイチ」で。信長の妹と同じ名前にしてもらってさぞ嬉しいだろう。
オイチとの時間を邪魔されたタマ。落ち込み、食欲を無くしてしまう。もしかしたら病気かもしれない、とサザエが動物病院へ連れて行くが、特に健康状態に問題はなかった。
「エサを変えてみてください」
とアドバイスをする、若い男の先生。言われるがまま別のエサに変えたところ、タマの食欲が戻った。元々体調が悪い訳でもなかったので当然である。
安心した一同。「ワシも食欲がなくなることぐらいある」と波平。「二日酔いでしょ」と冷たく言われ、彼のターンは終了。
次の日、家の前の掃除をするサザエの元に、昨日の獣医さんが登場。元気になったタマを見て安心している様子。
そしてこの獣医さん、磯野家にめちゃくちゃ気に入られる。「優しそう」「真面目そう」「寝癖がついているのは仕事に熱心だからだ」と、勝手に期待されて株を上げられる。こういう事をされるとかえって厄介だ。
そんな真面目そうな先生だったが、後日病院の前を通りかかると「休診」の文字。どうやら最近ずっと休みがちらしい。
理由が気になる一同であったが、ここで波平・マスオペアからの情報が入る。なんと、ご飯屋さんで先生と遭遇したと言う。店主に話を聞くと、なんと、先生は一目惚れをして悶々と悩み、仕事に手がつかないのだそうだ。平和かよ。
先生が一目惚れしたのは、鯛焼き屋で働く娘さん。あまりに好きで、先生は日に3回も鯛焼きを買いに行くらしい。本当にこの町は、プライバシー保護のモラルが半世紀ほど遅れている。
鯛焼き屋に向かったカツオと中島。なるほど、確かに綺麗な女性である。女好きの中島は「綺麗な人だなぁあはん」と鼻の下を伸ばす。
この話を聞いたサザエ、人肌脱ぐらしい。いそいで鯛焼き屋に向かい、先生のことをどう思っているか女性から直接聞くらしい。お願いだからやめてくれ、と思うが、サザエ・カツオ・ワカメのトリオは鯛焼き屋へ。
そこで見たのは、仕事を終えて店を出た女性が、彼氏と思わしき男性と2人で歩いて行く光景であった。
勝手に首を突っ込んで勝手に真実を知って勝手に落ち込む勝手なトリオ。肩を落とし、とぼとぼと帰宅。その道中、なんと先生に遭遇。
「今日は鯛焼きを買いに行かない方が良い」
とカツオが必死に食い止める中、不運なことに、彼らの後ろをあのカップルが通りかかる。
バッチリと目撃した先生は、公園のベンチに座り込む。その前に並び、何故か先生を励まそうと務めるトリオ。「何ですかほっといてくださいよ」と言わない先生も先生である。
カツオが「先生には高値の花だ……」と余計な一言を言ったところで、タマとオイチが登場。先生にすっかり懐いている。
ここで先生が「しっしっ!」とでも言おうものなら私は大爆笑して酒を飲み寝るのだが、先生は動物好きであった。「慰めに来てくれたのかぁ」とタマとオイチをなでる。
そこに、なんと鯛焼き屋の女性が登場。先生に話しかける。
そして、あの男の人は彼氏じゃなくて兄だったという、これまたびっくりするほどの王道展開で話は終わる。2人は仲良くなって終了である。テレビを消し、1人取り残された私は、無駄な寂しさに襲われた。
じゃんけん
パーであいこでした。