サザエさんレポート 2023年6月18日放送分

重要。サザエさんレポート。

中島君の新婚旅行

 冒頭、「一緒にフロに入ろう」とカツオに叫ぶ波平が登場する。既に湯船に浸かっている状態で、だ。そのまま1人でフロに入れば良いじゃんと思うが、これは私が持っている「家族の絆」みたいなものが薄れているからなのだろうか。

 


 この話は、中島が見た夢の話題を中心にして進む。「とびきり綺麗な人と進行旅行に行った夢」を見た中島が、そのことをカツオに話す。その「とびきり綺麗な人」はクラスの事をよく話すため、どうやらクラスの女子らしいと言うが、顔が変わっていて誰かは分からないのだそうだ。ちなみにカツオは、その夢の中では失恋して放浪の旅に出ているという。

 


 自分が見た夢を仰々しくカツオに話す中島。夢にそこまでの重要性を見いだすなんて、まるで平安時代である。あと、中島の部屋は生活感がなさ過ぎる。小学生男子の部屋としてあまりに物がなさ過ぎる、ミニマリストの様な部屋。そりゃあ夢に関心が向くのも無理はないか。

 


 カツオは、その話をすぐに家族に話してしまう。このアニメの住人は内密な話をたやすく人に話す性質がある。この迷惑な性質には私もだいぶ慣れてきたと思っていたが、今回は驚いた。だって、中島はわざわざ「内緒だぞ……」とカツオに釘を刺していたからだ。しっかりと「内緒話」としてパッケージされた話を、カツオは何の悪びれもなく家族の前で開封レビューしてしまったのだ。彼は知らないうちに犯罪でもしてしまうのではないか。

 

 その後、中島に話の続きを聞くと、どうやら中島のお相手は「花沢さん」だったようだ。顔があまりに綺麗になっていて、気がつかなかったという。

 


「カツオが失恋した相手って、絶対に花沢さんだ」

 


 盛り上がる磯野家。

 


 この話はワカメを介して一瞬で花沢に伝わる。どうにかならんかこのモラル。

 


 花沢は

 


「私は磯野君を捨てたりしないから、安心して」

 


と余計なお世話的発言をし、話は終わる。

 


当たりすぎる占い

 占いの本質に迫る話である。

 


 小さなミスが重なり大きな災いを招く、というあまりにも残酷な占いを宣告されたマスオ。この時点で、マスオが可愛そうな話なのだなぁと予想がつく。

 


 たかが雑誌の占いなのだから、と軽く受け取れないのがマスオ。実際、会社でミスを連発。会議に遅れ、昼食を食べて財布を忘れる。

 

 ちなみにアナゴが

 


「フグ田君、昼飯行くか」

 


と誘ったのに対し、マスオは

 


「行くよー!」

 


と返事をしていた。何とも可愛らしいではないか。


 占いの力に振り回されるマスオ。ラッキーアイテムの「パンケーキ」を明日のお弁当にしてくれとサザエに頼む。が、そのパンケーキがあまりにもデカすぎる。学生想いの定食屋みたいな重量感であった。しかも、これは別に「不運な事」として物語に登場したわけではない。罰ゲームみたいなサイズ感なのに、サザエさんの世界ではこれがパンケーキのデフォルトなのである。国民的アニメの深淵を垣間見た。

 


 不運は続く。タラオと公園に行けばボールを当てられ、お年寄りの荷物を持てば腰を痛める。一つ気になったのが、ブランコで遊ぶタラオの発言。

 


「ワーイです!」

 


 ワーイまで語尾に「です」を付ける徹底っぷり。サザエとマスオは少しだけこの口調を改めさせた方が良い。このままいくと困るのはタラオである。小学校で恥ずかしい思いをするのはタラオなのである。

 


 結局、占いを信じすぎているマスオを救うため、サザエが適当にトランプ占いをして

 


「早めに行動をすれば運気が上がる」

 


とでたらめを言う。マスオは調子を取り戻し、話は終わる。占いって案外でたらめで成り立っているのかもしれない。

 

波平、スカウトされる



 きたきたぁ! 波平主役回!

 


 電車でお年寄りに席を譲った波平。なんと「すてきなお父さんコンテスト」のチラシを受け取る。あぁ美しき急展開。

 


 すっかりやる気になった波平。出場者は得意技を披露するらしいが、「囲碁、盆栽、俳句」というあまりに日本人的すぎる波平の趣味は、人前で披露するには向かない物ばかり。もっと音ゲーとかやってくれよぉ、波平。

 


 今回は、フネの間接悪口が光る回でもある。

 とりあえずジョギングに向かおうとする波平に対し、

 


「どうされたんですか?」

 


と一言。

 


「どうされたんですか(この年齢になって今更ジョギングなんて)?」

 


という言外の意味を感じ取れる口調であった。

 

 大会に向けて身だしなみを整えよう、と赤いベレー帽を購入した波平のハッスルに対し、

 

「変なお父さん。いったい、誰に買ってらしたんですか」

 


と間接悪口。彼女とはディベート対決とかしたくないなぁ絶対に。


 そして大会当日。しかし、波平は欠場。会場に向かう道中、脚をひねって座り込んでいたお婆さんを見つけ、病院まで連れていったのだそうだ。そのため会場に着くのに遅れてしまったのだそう。優しい波平である。

 


 がしかし、大会で何か大きな事をしでかす波平を見たい自分がいる事実は拭えない。「ほっこりする良い話」で終わるにはもったいないくらいの良い展開だったのに。大会をぶっ壊す波平を見たかった。警備員に取り押さえられ、「左様。」と叫ぶ波平を見たかった……。

 



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