サザエさんレポート 2023年5月14日放送分

重要。サザエさんレポート。

アニメ「サザエさん」の放送内容を毎週レポートしていきます。ちなみに僕はちびまる子ちゃんの方が好きですが、頑張ります。

 

ノリスケ育メンの日

 サザエさんのタイトルは、どうしてこうも惹きつけてくるのだろう。今回だって、いかにも何か一悶着が起きそうなタイトルである。「育メン」と漢字を用いた表記にしたのは、カタカナ表記で行くと「ノリスケイクメンの日」という陰謀論的な雰囲気を醸し出す文字列になってしまうからであろう。制作者の細やかな配慮が見て取れる。

 


 本編に移ろう。タイコが高校の同窓会で出かけるため、この日はノリスケがワンオペでイクラの世話をすることになった。

 


「なんかあったらすぐ磯野家に行って助けてもらえ」

 


というタイコの投げやりな忠告があったが、自分一人でイクラの面倒をみるのだと張り切るノリスケ。こうしてみると、サザエさん世界の価値観も移り変わっていることに気がつく。初期はもっと「家事は嫁がやれぇ」という昭和の家族観が放送されていたのかもしれない。

 


 さっそく育児がスタートしたが、ノリスケが「うるさいママがいないから、存分に遊んでいいぞ」と言ったばかりに、イクラは盛大に暴れ回る。やりたい放題やってしまうのだ。

 


 まず、じょうろで室内に水をまく。次に、ノリスケをベランダに閉じ込める。このイクラという人物、何らかの素質がある。

 


 一方、磯野家の玄関ではサザエとフネが心配そうにノリスケを待っていた。「あいつは意地がない」と口を揃えて言う二人。悪口である。

 


 イクラはまだやりたい放題である。公園の水飲み場を指で押さえてブシャーっとして周りにいた人間をびしょびしょにし、花屋の花を勝手に摘み取る。なんだろうか、イクラは相当のストレスでも溜まっていたのだろうか。もはや「無敵の人」状態である。タイトルが「イクラ、無敵の人」であっても全く違和感がない。

 


 ヘトヘトになったノリスケは、道でカモメ第三小学校ガールズ(花沢、早川、かおり)に出会う。なんとそこに伊佐坂先生が登場。原稿も仕上げず、呑気に散歩をしているようだ。ノリスケはイクラをガールズに預け、逃げる伊佐坂を追いかける。

 


 ノリスケが来ない、と心配する磯野家。「早川さんの家に電話しよう」と提案するカツオ。どうやら、カツオは早川さんの事が好きなようである。そうかそうか。

 


 早川さんの家に電話をかけるカツオ。予想通り、イクラは早川宅でガールズから天国のような世話をしてもらっていた。この瞬間が彼の人生のピークであることは、言うに値しない。 

 


 その後すぐ、タイコおばさんから電話が来る。急いでカツオから受話器を奪い、「イクラは公園で遊んでいる。とっても良い子にしてるわ」とホラを吹くサザエ。正直に言えば良いのに、どうしてこうも物事を厄介にするのが好きなのであろう。 

 

 カツオは無事ノリスケを発見し、共に早川宅へ向かう。そこではイクラが花沢と早川の手を握り、すやすや眠っていた。図に乗るんじゃあないぞ。

 


 なんとかイクラと再会したノリスケ。帰り道、同窓会から帰ってきたタイコとばったり出会う。今日あったいざこざは、ギリギリバレずに済むようだ。

 


 その帰り道、イクラは他人の家のインターホンを押しまくった。

 

 

どこが好きなの?

 ずいぶんとハートフルなタイトルに、思わず背筋が伸びる。

 


 雨が降ってきたため、外に干していた布団を縁側にぶん投げるサザエ。しかし、そこでは波平とマスオが将棋をしていた。布団が直撃した二人に向かって、「あらごめんなさぁい、フヒィ」と舌を出すサザエ。

 


 今度はサザエ、波平の部屋に入る際に足でふすまを開ける。怒られても何も言わないが、それは口の中に食い物が入っていたからだという徹底した無礼っぷり。波平、ここで「ばっかもーん!」を繰り出す。サザエの失礼っぷりに呆れている様子だが、波平の普段の様子を考えると特段彼に威厳があるようにも感じられないというのが、正直な私の感想である。そういえば、サザエさんレポートを書いて初めての「ばっかもーん!」である。嬉しいなぁ、フヒィ。

 


 次の日、サザエは床で寝そべっていた波平をまたぎ、ワカメに「本をまたぐな」と注意する。彼女の中で、波平は本より下らしい。呆れかえって怒る気にもなれない波平の代わりに、マスオがキツく注意する。

 


 がしかし、「そこまで言う必要はない」と言い合いになる二人。サザエは部屋を出て行くが、フネの「お父さんの代わりに怒ってあげてるんだよ」と教え諭されて反省するサザエ。いや気付よ、という話ではあるが、彼女はマスオに謝りに行く。 

 

 部屋ではマスオとカツオが話している。マスオも「言い過ぎた」と反省しているようだ。カツオの「姉さんのどこが好きで結婚したのか」という質問に対し、「明るくて元気で……」以外の回答をひねり出せないマスオ。驚くカツオ。盗み聞きしていたサザエは激怒。マスオ危うし。「声が大きいところ……これは違うカァ」と墓穴を掘ってとどめ。サザエはまたフネの所に行ってしまった。

 

 しかし、フネに「マスオさんがかわいそうだ」と言われて反省したサザエ。情緒があまり安定していない。再び謝りに行くが、マスオは家を出てしまったようだ。

 


 マスオは外に出て、「サザエのどこが好きか」をひたすらに考えていた。真面目すぎて、何だか心配になる。途中でノリスケと出会い、話題はその話に。ノリスケは、タイコの好きな所をスラスラと発表して見せた。ノリスケは生きるのが上手である。思わず憧れてしまう。

 


 次にマスオは、チェーンソーのような髭を蓄えた近所のおじいさんに出会う。また同じ話題になったが、彼はそういう質問をされたとき「全部」と言うそうだ。嘘つけ、という感じではあるが、言うそうだ。

 


 マスオ、急いで家に帰り、サザエに向かって

 

「僕はサザエの全部が好きなんだ」

 


と喜々として語る。

 


「大雑把な答えね、がっかり」

 


と落胆するサザエ。しかし、ここでマスオの

 


「そそっかしいところも、騒がしいところも、行儀が悪いところも……」

 


という全肯定彼氏っぷりに、サザエは満足したようだ。二人は無事仲直り。磯野家に平穏が戻った。

 

母の日は山あり谷あり

 さあお待ちかね、母の日回である。一週間遅れでこのレポートを書いているため、「今更かよ」と思っておられる読者の方もいるかもしれない。かくいう私もそうである。

 


 母の日のプレゼントを買うために、二人でコツコツ貯金をしよう、という子供としてあまりに理想的すぎる約束をしていたカツオとワカメ。ワカメはしっかり貯金を成功させるが、案の定カツオは忘れていた。それでいいのだ、カツオ。「仲良く貯金をして無事プレゼントを買いました」では、つまらないのだ。

 


 しかし策士ワカメ、こんなこともあろうかとサザエと秘密の約束を結んでいた。それは、「カツオが貯金を忘れていた場合。バイトと称してあらゆる家の手伝いをさせる」というもの。お金を貯めるため、さっそくフロ掃除をさせられるカツオ。ねじりハチマキまで着けさせられて、かわいそうに。

 


 フロ掃除が終われば、次は庭の草むしりだ。こうして見ると、広い家を持てばその分掃除の手間が増えるということが良く分かる。やはり住処は狭いに限る。理想はカプセルホテルである。究極はホルマリン漬けである。

 


 草むしりに励むカツオであったが、その姿をフネに見られてしまう。まずい。お小遣いをもらうために草むしりをしているとバレたら、母の日にプレゼントを渡そうとしていることが感づかれてしまう。

 


「草むしりなんかしてどうするんだい」

 


と聞くフネに、カツオは適当にごまかす。ごまかしに関しては、カツオは頭一つ抜けた安定感を発揮する。まるで詐欺師のようである。

 


 散々手伝いをし、ようやっと2000円を貯めたカツオとワカメ。さっそくフネに何を買ってやろうか考え始める……が、何を買えばいいのか検討もつかない。お隣のおばさんに意見をあおると、

 

「この前一緒に舞台を見に行ったとき、私のシルクのハンカチを見て自分も欲しそうにしてたよ」

 


と大変ナイスなアドバイスをくれた。このアニメにおいて、おばあさんは基本的にナイスである。

 


 さっそくデパートに行くカツオとワカメ。無事、シルクの白いハンカチを発見。なんと残り一個だという。急いで店員さんにラッピングしてもらう2人で会ったが、なんとそこに別の子供が登場。

 


 「あ! 無くなってる!」と泣きわめく子供。どうやら、この子も母の日で同じハンカチをプレゼントするつもりだったらしい。「あれじゃないとママは喜ばない」などといいパニック状態で泣きわめく子供を、必死でなだめる父親。カツオとワカメはそれなりの優しさを持っていたようで、シルクのハンカチをその子供に譲ってあげたのだった。ちなみに私だったら絶対に譲らない。譲ってたまるかとさえ思う。

 


 昼。フネに日頃の感謝を伝え、プレゼントを渡すシーンである。波平は高い寿司を、サザエとマスオは髪留めを、タラオはサザエに似顔絵をプレゼント。しかし、お目当ての品を買えなかったカツオとワカメは居心地の悪そうに座っている。

 


 申し訳なさそうに、花束と青いハンカチを渡す2人。

 


「あら、シルクの白いハンカチじゃなかったの」

 


と本当に余計な事を言うサザエ。

 


 事情を説明すると、フネはたいそう喜んでくれた。「このハンカチは2人の優しさがこもっていて素敵だ」と、あまりに模範解答的なコメントを言うフネ。母の日の振る舞いとして完璧すぎる。

 


「小さい子にハンカチを譲るなんて中々できないよ」と、グサッとくる一言をいうマスオ。

 


 母の日は無事、和やかな雰囲気で終わった。後日、カツオとワカメの2人をお出かけに連れて行ったフネ。理由を聞くと、

 


「このハンカチをすぐにでも使う機会を作りたくてね」

 


と言う。キャー! なんて素晴らしいお方なのー! ここまで株を上げてしまうと、今度は逆に自分の首を絞めることにならないか心配になってしまう。理想の母を演じる事に縛られ、疲れ果ててはしまわないだろうか。いつか「フネ、発散する」回が放送されることを期待する。
  
 

 

じゃんけん

グーであいこでした

 



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