お久しぶりでございますね。良ければ見てってください。
残暑見舞いを出そう
今の時代にこんなアドバイスをしてくれるのは、「サザエさん」だけである。この話を見て「よっしゃワタシも残暑見舞いを出そっと♪」とノってくれるピュア日本人がどの程度いるのかは分からないが、大切なのは結果ではなく姿勢だ。私はこのサザエさんの気概を応援したい。
カツオ、ワカメ、タラオが並んでいる集合写真が届いた。せっかく良く撮れているので、ノリスケに頼んで残暑見舞いのハガキにしてしまおうと話す。ひょっとして、ノリスケはこういう面倒くさい事を毎回頼まれているのだろうか。磯野家はノリスケに足を向けては寝られないだろう。
話題は残暑見舞いの話に。タラオが「残念見舞いですか?」と悪口のような言い間違いをする中、丁度よくノリスケ登場。話を聞くと、彼はノリノリで引き受けた。ノリスケのノリってそういう事だったのか。彼は腕のいい活版印刷の店を知っているらしい。とりあえず100枚刷ってくるそうだ。
しかしノリスケ、良いやつである。こんな面倒を快く引き受けてくれるなんて。私は家族に頼まれて家のプリンターで年賀状を刷ったことがあるのだが、あれでもだいぶ面倒くさかった。年賀状なんてシステムを一体誰が考えたのかと腹が立った。
ノリスケが帰ると、カツオは100枚のハガキを家族でどう割り当てるか計算を始める。結果、波平とマスオは30枚。フネは10枚。サザエとワカメは5枚。タラオは1枚。カツオは残りの19枚だそうだ。カツオ、どうやら残暑見舞いを出したくてたまらない様子。この配分はおかしい、と憤慨する家族に対し、「姉さんが字を書いているのは見たことがないよ」「タラちゃんはリカちゃんしか出す人いないでしょ」と歯に衣着せぬ言い方である。どうやら、カツオはクラスの女子全員にハガキを出し、夏休み明けに人気者になりたいらしい。その程度で人気者になれるのなら、みんな人気者になっている。
そんな中、花沢から暑中見舞いが届く。「花沢さんも僕の残暑見舞いを見たら腰を抜かすよ」と気合十分のカツオ。私も残暑見舞いで腰を抜かしてみたいものである。
ようやくハガキは完成。しかし、
「確かに良くできているが、このハガキには重大な間違いがある」
と波平。どうして探偵みたいな言い方をしているかは分からないが、「暑」の字が「署」になっているようだ。活版を作る際に、似た字のため間違えたのだろう。
既に宛名を書いてしまったカツオ。これはもう送るしかない。苦労の末出した案が、
「このハガキには間違いがあります……」
と書いてギミックにしてしまうことだった。普通に頭良いことをしてきたので、私の心は少し傷ついた。
お土産は、なぁに?
磯野家にやって来たお客さん。サザエの幼馴染らしいが、手土産に「おこわ」のおにぎりを持ってきた。これが磯野家に大ウケ。お客さんのセンスを褒めちぎる。サザエさんを見ると、「私も、自分がいないところで有る事無い事言われているのだろうか」という被害妄想が膨らんで良くない。
ここでノリスケがやってくる。2話連続。手土産にお饅頭をもって来たのだが、「またお饅頭?」「センスがないなぁ」と無礼な事を言う。
別の日。今度はサザエがその幼馴染の家にお邪魔することになった。お土産はどうしようかと悩むサザエ。おこわのセンスに並ぶお土産を考えるのは困難だ、とカツオが言う。おこわってそんなにハイセンスなのだろうか。
「あの子が子供のころ好きだったものを思い出すのはどうだい」というフネのアドバイスを聞き考えるが、「食パンの耳」や「蓋にこびりついたアイスクリーム」など、手土産にしたら縁を切ろうとしているとしか思えないものしか出てこない。
マスオもまた、取引先の部長に渡す手土産に悩んでいた。どうやら手土産のセンスが商談成功の命運を決めるらしく、その人は甘いものに目がないらしい。同じような部長、前にもいたなぁ。「手土産にはドラマが必要だ!」と熱いことを言うアナゴ。昼休み、二人で行列のできるドーナツ屋さんに並ぶが、空腹に負けてカレー屋に行ってしまう。一体何をしているのだろうか。
サザエは手土産を買いにデパートへ。しかし、手土産のことは忘れてバーゲン品を買って帰って来てしまった。
マスオ、ドーナツは諦め、野菜ジュースの詰め合わせを取引先への手土産にする。するとこれが大ウケ。どうやら、甘いものは控えるようにと医者に言われたばかりだったらしい。
サザエは結局当日まで手土産を決めかね、通りかかったパン屋さんで丁度焼き上がった食パンがあったので購入。一緒にパンの耳をプレゼント。喜んでもらえた。
カツオ、勝負の3日間
夏休みの宿題が終わっていないと言う、安定感のあるエピソードである。中島もワカメも宿題を終わらせてしまった。やっていないのはカツオだけである。
まずは日記を埋めるらしい。家族総出で、あの日何があったのかを思い出してもらう。ワカメの日記を見せて貰えば良いのに、緊急時には頭が働かないものだ。しかし、私もこれは馬鹿にできない。私も夏休みの日記は最終日に埋めていた。1行日記のため本当にすぐ終わるのだが、1行ならばどうせ誰も読みはしないだろうと溜め込んでしまった。
カツオ、自由研究も残っている。しかし、父というのはこういう時にやる気を出すものだ。翌日、波平は朝早くからカツオを海釣りに連れて行く。魚の生態を研究テーマにするらしい。
しかし波平、案の上釣れない。1日中やって1匹も釣れなかった。魚が滅びたとしか思えない。
自由研究は諦めるしかないかと思われたが、カツオは機転を効かせて「波平の生態観察」へとシフトしていた。魚が釣れずに苛立ってくる波平の様子を記録していたらしい。やはりこいつは頭がいい。女の子みたいに頬を赤らめて恥ずかしがる波平。自由研究はこれでいくらしい。
最後に残ったのは絵の宿題である。画用紙に何を描いてもいいという、美大入試のような宿題を出されていた。カツオが完成させた絵は、海を飛ぶカモメの絵。しかしよく見ると、カモメは開いた教科書とノートで表現されている。宿題を終わらせた解放感を表現したらしい。これは大変良い。嫉妬してしまう。
無事宿題は終わったと思われたがなんと読書感想文が残っており、夜中に波平と取り組むことになるのであった。